「プラントベース」を楽しむ暮らし
「植物性」を暮らしに取り入れたら、想像以上に心地よかった話
とある週末の朝。
温かいハーブティーを片手に、私は小さなキッチンでフルーツを切っていた。テーブルの花瓶には花が添えてあり、冷蔵庫には、昨日仕込んだひよこ豆のペーストが待機している。
つい数年前までは、こんな食卓を囲む自分を想像していなかった。
きっかけは、小さな「違和感」だった
食べることは好きだった。だけど、どこか「重さ」を感じることが増えていた。
朝はスムーズに起きられず、昼食後は決まって眠気が襲ってくる。肌の調子も安定せず、なんとなく浮腫みが取れない。これは年齢のせいなのか、それとも何か他に原因があるのか——。
ある日、何気なく読んだ記事に「植物性食品がもたらす変化」について書かれていた。ヴィーガンではなくても、食生活の一部を植物性にシフトするだけで、エネルギーが安定し、体の巡りが変わるらしい。
「試してみるのも、ありかもしれない。」
そう思ったのが始まりだった。
「抜く」のではなく、「足す」感覚
ヴィーガンではない。だけど、「植物性を取り入れる」ことを意識するだけで、暮らしの選択肢は自然と変わった。
例えば、牛乳をオーツミルクに置き換える。動物性のバターの代わりに、ココナッツオイルのスプレッドにする。肉中心だった献立に、ひよこ豆や豆腐のレシピを取り入れる。
「制限」ではなく「発見」だった。
ひとつの食材が、こんなにも美味しくなるのか。
植物だけで、こんなに満足感があるのか。
そんな小さな驚きの積み重ねが、私の暮らしに静かに馴染んでいった。
体が、心が、軽くなる瞬間
ある朝、目覚めたときに気づいた。
「そういえば、最近だるさを感じていないかも。」
植物性を増やした食生活に変えてから、眠気の波が少なくなり、肌の調子も安定してきた。食後の重さが軽減され、「本当にお腹が空いたときに食べる感覚」が戻ってきた。
さらに不思議なのは、気持ちの面でも軽やかになったこと。
無理なく続けられるからこそ、罪悪感がない。 「これを食べていいのか」「あれはダメなのか」と悩むことなく、ただ心地よい選択を重ねるだけ になった。
ヴィーガンではなくても、「植物性」を取り入れる理由
私はヴィーガンではないし、これからも完全に動物性を排除するつもりはない。でも、植物性の選択肢を持っているだけで、食べることがもっと楽しくなった。
「ちょっと試してみる」だけでいい。
それだけで、体の声が変わる瞬間がある。
「植物性」を、もっと自由に楽しむ。
きっと、どんなライフスタイルにも正解はない。
でも、もし日々の暮らしの中で 「なんとなくの不調」や「体の重さ」を感じているなら、植物性を足してみるのもひとつの選択肢かもしれない。
ヴィーガンではない。けれど、植物性がちょっと増えただけで、私は自分の体と向き合う時間が増えた。
無理なく、心地よく。
そんなバランスが、ちょうどいい。